『ANON アノン』"Anon"(2017)

(2024/02/17記) (2024/02/17 Amazon prime) 相変わらず昔憧れた未来の延長線上のリアルを求めているんだな。 精巧に再現された懐かしい未来。この心地良さが好きだ。 叶えられた未来で気づかずに失ったものが何であるかを知る。 文字の書き方を忘れつつある私達のように、自らの視覚情報の思い出し方を忘れた…いや、 自らの視覚を記憶として残す事を忘れてしまった未来というリアリティ。 思考ではなく視覚だけという所が逆に生々しい。 と、それはあくまでもシチュエーションだけで主題ではない。 視覚だけというのを逆手に取った反撃というのは面白かった。 なんて思っていたらの思わぬ逆転劇。これはやられた。

『RRR』"RRR"(2022)

(2023/04/04記) (2023/04/03 at 丸の内ピカデリー ドルビーシネマ) バカだろ、これ。 と思えるくらいに冒頭からフルスロットル。 ある程度は覚悟していたけれど、ここまでドルビーシネマと相性が良い作品とも 思ってもみなかった。 これこそ映画館で浴びる映画だった。 色にしても光にしても音にしても使い方のホント上手いこと。 それが何箇所かある本当のクライマックスで沸る爆ぜる! ここぞと言うところで躍動する闇や炎、そして水だったり血だったり。 そして音の洪水。 まあどこもかしこも決まっちゃいるのだけれど、好きなのは巡り巡って再び バイクと馬だったり、冒頭での失態、言葉や意図を正しく拾えなかったばかりに から始まった事が、これも巡り巡って読み書きを教えてくれに至る所。 こういう拾えるものは全て拾ってやれと言わんばかりが全編に詰まっていて お腹いっぱい。 けど観終わった後は疲労困憊で観る前に食べたのに空腹という変な矛盾。 堪能させていただきました。

『AKIRA』(1988)

(2020/03/21記) (2020/03/20 at BSアニマックス録画) 実に懐かしい未来。 それは当時でも既にだったけれど。 最後に観てからもう20年以上は経っているだろうな。 その描かれた時代になってもこうまで変わらないとは。 そしてこの作品に囚われたもののなんと多かったことか。 これだけ時間が経ってもここまでの情熱のものはないものな。 どこかでそれを躊躇っているのかなとも思えるが。 ホント面白いな。

『劇場版 アイカツ!』(2014)

(2019/08/14記) (2019/08/14 at TOKYO MX TV録画) 大宮いちごまつり。 文字にするとやはりそう読めてしまうなあ。 個人的にはようやく2クール目に入ったくらいを観ているのでこれだけのメンバーと なっているのはまだまだ先の話。 さすがにレジェンドもバレてるのか。 始まってから約2年も経ってさらには劇場版という事で動きも全然良いなあ。 しかもあんな場所で歌ってくれるとは。路上ライブの記録っぽくズームアタマの ピンぼけ多用とかいい感じにハマってる。 花音が美月を「知ってる」存在であるのが良いな。 多分曲やパフォーマンスを見た事は無いけれど情報として知ってる。 そうやって世界がアイカツだけで成り立っている存在ではないことをさりげなく 表現しているのが良い。 いちごまつり本番。 オープンエアーなドームっぽい音響が心地良い。ver.ROCKから始まるのも良いなあ。 そのメドレーの構成も一人三人四人二人と今までな感じもあるし。 いちごにとって、きっかけの美月から後継のあかりという一つのラインが 見えているからこその三人ライブも感慨深いものがあるよな。 もっとも週一ペースで観続けている今から本当にそこにたどり着くまではまだ 何年もかかりそうだが。 さてこうやって未来を垣間見せてもらったのでまた地道に本編を見続けることにしよう。

『アイガー・サンクション』"The Eiger Sanction"(1975)

(2017/11/24記) (2017/11/23 at イマジカBS 録画) 久々の鑑賞。 これもジョンウィリアムズだった事をすっかり忘れていたよ。 やはり、特にジャズっぽいアレンジ入った曲のほうが好きだなあ。 山でのクライマックスはややオーケストラ寄りになったけれど、最終的にはジャズに 落ち着く辺り曲ごとのシチュエーション含めて楽しめます。 けどやはりそれ以上に、クリント・イーストウッド監督主演作品を楽しめる喜び。 イーストウッド演じる主人公のストイックさは監督作品だとマシマシになるからな。 イーストウッド監督と(この作品には関係ないが)スタローンの脚本作品は見かけたら すぐ飛びつけの法則を改めて感じさせていただきました。 さて、一方でこれは『ロンググッドバイ』などと同じく友情を描いた作品である。 いや、人と人との理想的な関係性と言ったほうが良いのか。 それとも信頼に関する話? 私がこの作品を愛しているのはそこが一番大きいのだろうな。それこそ前述の 『ロンググッドバイ』と同じように。 それこそあの作品はよりジャズテイストなジョンウィリアムズの音楽を堪能できる 作品である。

『アイアンマン』"Iron Man"(2008)

(2008/08/09記) 出張での帰りの機内で『アイアンマン』を観ました。 (2008/08/08 at 機内上映) (以降本当にネタバレ) その出張に持っていったのが「宇宙の戦士」でしかも行きの機内で『バットマン ビギン ズ』というのは偶然というよりはホント意識の無意識なのだろうなぁ。 ある意味ここまでこの二つに共通点を見いだす事になるとは思いませんでした。 『…ビギンズ』との共通点でいえば、ある意味天才で金持ちでありながら、ビジネスパー トナーである身内に裏切られるところや、信念の持ち主であったり「飛ぶ」事やスーツの 力へのこだわりなどなど。 で、またそれらがいろいろ伏線に絡んだりして…。 そしてさらに『アイアンマン』には『バットマン』的ヒーローに対するアンチテーゼが… というよりは『バットマン』の存在そのものがヒーローに対するアンチテーゼだから…た だしそれが決して正統派ヒーローたり得ないところがまた面白いところか。 で、ここらへんから「宇宙の戦士」的世界化してくるわけなのだな。 ここまでポジティブになってしまうとは。 (文字通りパワードスーツまで出てくるし。) けれども世界はバットマン的に混沌としていて…。 そしてさらに世界は続いていく。 ホント面白いわ。 さらに『ダークナイト』があそこまで化けてしまった上でいったいどんなものが作られる のか。 楽しみです。 そうそう、ロバートダウニーJrでいいのかなと思っていた事も杞憂でした。 あんたじゃなきゃできないよ。(笑)

『劇場版THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(2014)

(2016/01/03記) @kaname_miguchikaname 2015/12/31 21:31 劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(2014) via Janetter for Android @kaname_miguchikaname 1/1 7:47 劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(2014) 春香の前は壁ばかりだな。(not 千早w) それはともかくこんなにも愛に溢れた作品になっていたのは予想以上でした。いきなりかよ。あれですべてを思い出した。何がアニメアイドルマスターであったのかを。 via Janetter for Android @kaname_miguchikaname 1/1 7:55 劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(2014) サポートメンバーあんな感じだったのか。当時私は木戸ちゃん以外を知っていたのだろうか。ミリオンはいまだにほとんど知らないからな。そしてクライマックスのアリーナライブ。やはり会場が広すぎた? via Janetter for Android @kaname_miguchikaname 1/1 10:26 劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(2014) 何となくゲームを思い出してしまうんだよな。動き的に。カメラギュンギュン動くのは良いんだけれど見栄え的ににはレディチェンジの方が良かったな。 via Janetter for Android 劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(2014) まあ他にもいろいろあるんだけれどカナの理由をどうみるかがノレるかどうかの境目かな。 via Janetter for Android 投稿者 kaname 時刻: 17:06 ..以降2020/08/23追記 『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(2014) (2020/08/23 at YouTube アイドルマスターチャンネル) 「眠り姫」の事はもうすっかり忘れていたよ。 というくらい久々の鑑賞。 今見ても凄いなあ。 その後が未だに無いのがもったいないくらい。(まだ諦めていない) と、まあその「眠り姫」が記憶の彼方に飛ばされてしまうくらいに詰まった 作品だからなあ。 M@STER PIECEなんて未だにマスターピースだし。 で、今回はあれから6年。 その後のミリオンどころかサイドMやシンデレラ、シャイニーまで至った上での 鑑賞だからという事で視点も変わって面白かった。 ミリオンはその後まだようやくアニメ化が決まったくらいしか進んではいないものの、 そこにいなかった子達まで含めてあの場どころかの舞台に立っているのをやはり こういった配信で見てるし、この劇場版を土台にして活動してると考えるとまた くるものもあるし、サイドMにはエピソードジュピターがあるからなあ。 そして渋谷の街角で振り返ったあの娘には189人の仲間がいたり、さらにはこの時 存在しなかった子達が新たな展開を迎えているだなんて。 まあそういった事はある一方で話としてはオーソドックスなものとしてしっかり 楽しめるというとても大事な作品です。 次に見るのはミリオンのアニメ化直前くらいかな。 楽しみにしていよう。

『愛・アマチュア』(その2)"Amateur"(1994)

(98/08/19記)  『愛・アマチュア』を観ました。(98/08/19 at Video)  最後に観たのは3年前かな? しかし、ところどころを覚えていて、ふと、 それを思い出しては涙が出てくる。 シンプルなタイトルロールや、4人が修道院の前に揃っているところ、等。 これらを観ていると、これから起こる未来を思いだして、涙が出てくる。  そう、この映画は、最初に未来の予告があって、その決められた未来へと 形を整えていく。そういう映画だと思う。 ゆえに、未来を思い出しては、涙を流してしまう。

『愛・アマチュア』"Amateur"(1994)

(95/02/12記 at Niftyserve FMOVIE1 3番会議室)  hさん、こんにちは。KANAMEです。前に、結果的に紹介していただいた『愛 ・アマチュア』をやっと観てきました。もう、予想通り、大変気に入ってしま いました。作品を貫く優しさ、やりきれなさがとてもよかったです。ありがと うございました。  というわりには、hさんがここに書かれたコメントをまったく参照せずに感 想を書きます。というわけでhさんへのコメントリンクにはしてません。 (変なことをしてすいません。)  私は、このイザベルという女性にかなり自己投影をしてしまいました。(一 応、私は男です。)自分には、なにかやることがあって、生きていると思って いるのだが、それがなにかわからない所。(彼女はそれを見つけましたが、私 はまだ見つける事ができません。当たり前か。)そして、自分を色情狂だと思 っている癖に男を知らず、さらに男を寄せつけないでいる所が。(実際の私が どうかについてはコメントしませんがご想像のとおりだと思います。まあ、男 を女に置き換えればよいだけなのですが。)  こうやって、でてくる自分に近い存在があるので、そのひとに感情移入しな がら観ていました。そして、この映画の中でイザベルを取り巻く人々がとても 人間臭い優しさ、やりきれなさを持つことに非常に心地好さを感じました。実 はこの人たちのなかでもっとも人間らしい優しさを持たないはずのトーマスと いう男が、話の最初から記憶を喪失していることによって、イザベルに対して 、そしてかつての知り合いであったソフィアに対しても、惜しみのない・・・ 、なんとよんだらいいのだろうか、優しさのようなものをみせてしまうのだか ら。  そして、最後には登場人物すべてが不幸になって終わってしまうのが、この 映画をとても印象の残る物にしてしまったとも思います。まあ、ある意味では 幸福だったとも思える人もいますが。記憶を取り戻さずに死んだトーマスとか 、最後に真実を打ち明けたソフィアとか。ただし、彼らはその分周りの人たち を不幸にしてしまって・・。  なんだか書いてて涙が出てきてしまいました。  すいません。なんか話の途中ですが、しばらくはこれについて書けそうもあ りません。中途半端な形でアップしますが、私はこの映画が好きです、という ことで。  以上、KANAME(CXE04355)でした。

『アイアンジャイアント』"The Iron Giant"(1999)

(2000/05/27記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  公開前から評判は聞こえてきていたものの、ワーナーマイカル系 列のみでの公開ということで、足を運ぶ機会を逸していたこの『ア イアンジャイアント』が、ついに私の家の近所にもオープンという ことで、早速観に行ってきました。 (2000/05/27 at ワーナーマイカルシネマズ板橋 スクリーン5)  なお、映画館レポートはFSSTARSの17番会議室の方に掲載。 (以降、内容に触れます。)  最初は、割とアメリカナイズされたキャラクタと絵に、抵抗を覚 え、さらには、割とお決まりの展開に対して、やや斜に構えて観て いたのだが、実はこのお決まりの展開をことごとく見事な伏線に 昇華していくと同時に、話もクライマックスに向かっていくところ の見事さ!  主人公の少年ホーガースが、「何か良く喋るよなぁ」と思い始め たところで、エスプレッソのエピソード、を筆頭として、最後の伏 線2連発で締めるところまで、ホント、やられたと言う感じでした。 判っちゃいるけど、やっぱり涙、出てしまいますよね。 kaname(CXE04355)

『アイウォントユー』"I Want You"(1998)

(99/01/24記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『アイウォントユー』を観ました。(99/01/23 at シネスイッチ銀座1)  少し前に知人と、ウィンターボトム監督の別の作品について話す機会があっ て、その知人の言った一言が、私が観たこの監督の作品すべて(『日蔭の二人』 『バタフライキス』『ウェルカムトゥサラエボ』)にたいして、感じていたけ れど言葉にできなかった一言を言い表していて、妙に納得した記憶があります。  「この人、おかしいよ。」  そして、この『アイウォントユー』は見事なまでにその一言で言い表せる作 品で、故に確信してしまいました。 「だから、すごく居心地が良かったんだ。」って。 (以降、ネタバレがあります。これから観る気のある方は読まないほうがよい です。)  あの何とも言えない色づかいの映像と、そのリズムが作り出す空気。 それはこの映画でも健在で、オープニングのいつもと違うと感じた空気も、ホ ンダが丘の上を疾走するシーンで吹き飛び、あとは、その空気がいざなう世界 へと。  主演のアレッサンドロニヴォラの雰囲気が、予告編で観た時と違い、『フェ イス/オフ』でキャスタートロイの弟役で出ていた時と同じ空気を持っていた のも、この映画とすごくシンクロしていたし、何もしゃべらないホンダも良かっ た。  台詞ではなく、空気で話が進んで行く感覚に身をゆだねていると、最後に何 が真実であったかを一瞬で知らせられた時の軽いパニック。そこまで、案内さ れた感情はいったい何だったの? と言う感覚。  その一瞬で、彼女が、何故父親を殺したのかまで判らされてしまい、初めて この映画がなんであったのかを気づかされるその感覚が、この監督の作品で共 通して好きな部分であったことを思い出させられたのでした。  やや、じゃなく、かなり支離滅裂な文章になってしまいました。 〜〜〜〜〜〜 99/01/24(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『AIKI』(2002)

(2002/12/18記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『AIKI』を観ました。(2002/12/14 at シネリーブル池袋2) 天願大介監督作品ということで非常に楽しみにしていたのですが、 せっかく家の近くでかかることだし、これは早めに観に行こうと いうことで、かなりの期待を持って観に行きました。 (以降、内容に触れます。) 何というか、ホントにセオリー通りの事をやって、それが気持ち良 いくらいに決まっている快感というものを、ホント久々に味あわせ て貰うことが出来ました。 まずはキャラクタや物語の背景を説明するのにこれ以上はなかなか ないんじゃないかと思えるくらいのテンポの良さ。 主役やその周りの登場人物一人一人に対する愛情をめいっぱいみせ ながら、それでいてこのテンポはホント気持ち良い。 そして、そういう導入から入ったこの物語は、かなう事かなわない 事良かった事悔しかった事を織り混ぜながら進んでいく。 決して満点の答えではないけれど、それぞれの話すべてに答えを出 し、そしてクライマックスになってようやく解放されるエネルギー のまた心地よいこと。 ある意味、お決まりなのかもしれないけれど、観たいものを見せて もらえる快感というのはいいですよね。 確かな配役と確かな物語、そしてそれをまとめる確かな人達が揃っ た時の快感というものを味あわせてもらいました。 kaname(CXE04355)

『アイスストーム』"The Ice Storm"(1997)

(98/10/18記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『アイスストーム』を観ました。(98/10/17 at 銀座テアトル西友) 観終わったあと、すごく寂しくなりました。今、一人でいることが。 みせかけだけの、対面だけの幸せが崩れてしまうのを見せられたから。 始めのうちは、 「あ、『グリーンホーネット』だ!」 とか、 「あ、「モーニングアフター」だ!」 なんて、少しは楽しみながら観ていたのに。 〜〜〜〜〜 98/10/17(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『アイデン&ティティ』(2003)

(2004/01/19記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『アイデン&ティティ』を観ました。(2004/01/17 at シネセゾン 渋谷)  みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督、宮藤官九郎脚本。 この作品がヒットしていると聞いた時、何故なのかどこに惹かれて 集まっているかというのが今ひとつ分かりませんでした。 作品的には好きなタイプであろうなあとは思うものの。 ましてや、題材がほぼ10年前のイカ天の頃であるにも関わらず、 客層が合致してなかったのにも不思議さが増して。 そんな中での鑑賞となりました。 (以下、内容に触れます。) まずオープニングを観て思ったのは、やっぱり10年経つと皆老けたなぁと いう感慨。 いや、しかしここまでみうらじゅんの作品を(というよりは作風を) そのまま映画化されているとは思ってもみなかったのと同時に、 それでいてこうまとめられるのかというのは、ある意味実際見せられ ると納得できるものの、ある意味びっくりしました。 特に主役の峯田和伸が(原作とは違う風貌ではあるものの)「みうら じゅんの描きそうなキャラクタ」そのままだったのには、びっくり。 ある意味これが、この作風をそのまま受け入れさせるための一番の 要素だったのかもしれないなと思いました。 このアプローチの仕方はホント凄いわ。さすがブロンソンズ。 そして、アイデンとティティたるボブディランと麻生久美子がまた 本当にいかにもみうらじゅん世界なキャラクタで。 そのせいか当初予想していた10年前の音楽(と音楽界)を思い起 こさせるものを描いた作品というよりは、やはり間違いなくみうら じゅん世界の映画化でもあり、 そしてさらに予想していなかったのが、この映画の作りそのものも、 10年前のインディーズな青春映画そのものであったこと。 言ってみれば、10年前に中野武蔵野ホールで毎回監督や役者が挨拶 にでてくるような作品群そのものの作りであったことが、 また個人的にはツボにはまってしまいました。(だらだらさ加減や 描いていることの限りない甘さとか等等。) 「ああ、10年経ってこういう映画がこれだけ良い小屋でも観られる ようになったんだなぁ」という感概。 (それをまた田口トモロヲが撮っているというのがまた。) そして、思いだすとその頃観ていたのがこの作品中で描かれている 「イカ天」の後番組であった「エビ天」こと「エビゾリ巨匠天国」。 あくまでも個人的に、なんとなく納得してしまったのでした。 (と同時にその頃のいろいろな想い出が頭の中に。) しかしなぁ、それでもなんでヒットしているんだろうという答えは とうとう得る事ができませんでした。 それでも、好きなんですけれどね。(特に作風が。) kaname(CXE04355)

『愛と勇気の翼』"Wings of Courage"(1996)

(97/04/27記) (ネタバレあります。)  『愛と勇気の翼』を観ました。アイマックスも含めて、アトラクションを除 く劇場での3D映画は私にとっては初めてで、とても不思議な印象を受けまし た。  そして、この「映画」と言う娯楽のジャンルは、技術の進歩で近い将来確実 にこの方向に向かっていくのではと感じさせてくれる映画でした。  まず映画として。  冒頭から、手のとどくところにバルキルマーがいるのがとてもリアルに感じ られたりとか、普通の映画より情報量が多いことにより、たぶん普通の映画で はあまり楽しめなかった所まで楽しむことが出来ました。映画の作り、映像の 作りとしてもそれをかなり意識していたように思う。たぶん、脚本も書いた監 督のジャン=ジャック・アノーもそういうところと「映画」「物語」をどう絡 めるか苦労しているように見えました。(話そのものに没入する前に、画面の 仕掛け=3Dのやはりまだ中途半端な部分に気を取られるのをいかにして避け るかと言うこと。)  けど、やはり限界があったようで、それをこの映画の締めくくりで、「けど 、これが現実であるが故に完璧な話というものには成りえない。」とストーリ ー上の進行とダブルミーニングして遊んでいたりもする。そういう姿勢は面白 かったです。  そしてそれを見せる技術として。  今の「被り物」では、やはり情報量の多さによる目の疲労と言う点で話の長 さに制限が出てしまう。(どんなに頑張っても一時間くらいが限度か。)アイ マックスを「映画の後継者」足りえるレベルにするには、この点を如何に克服 するかが一番重要なポイントだと思いました。  そして次が「被り物」の重さ。 ただでさえ3Dのより良い臨場感を得るために、画面全体に置ける背景を大き く取り、その中の観る対象物を動きまわらせることによって、対象物を目だけ では無く首でを動かす事によってフォローさせる手法を取っている事により、 首は結構動かさねばならないのに、結構な重さがあるこの「被り物」、および この「被り物」を固定するのに締め付けられる頭への負担はさらなる改良が必 要でしょう。  ただし、そのためには「量産効果によるコストダウン」は必須になりそうで すが。  このふたつさえクリアしてくれれば、あとはソフトの問題。このソフトを生 かしきれる人材は、そんなに待つことなく出てくると思う。  早くそういう日が来て欲しいものです。

『愛のトリートメント』"Treat"(1997)

(99/02/14記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『愛のトリートメント』を観ました。(99/01/25 at 渋谷パルコSPACE PART3)  この映画に興味を惹かれたのは、主演がジュリーデルピーというのもあるの だけれど、『マーズアタック』の脚本家の、脚本・監督作品だというのもあっ たような気がします。 (以降ネタバレあり)  この映画で、初めて意識して観ることができて、「あ、この人はいいなぁ。」 と思ったのが、ダニエルボールドウィン。  実は、アダムも、ウィリアムもステフィンも、顔は覚えていたのだけれど、 このボールドウィン4兄弟の次男、ダニエルだけは、知らなかったのです。  他の三人よりもずっと味のある役者で、今はそういないタイプのバイプレイ ヤー。気に入ってしまいました。  と、思っていたらジョンカーペンターの『ヴァンパイア』にも出てきた。し かも、性格近い役で。(^^)  さて、それはおいといて本編。 オープニングを観て、「もしこの調子で話が進むと、ちょっと観ているほうに は辛いかもしれない。」と思いきや、少しだけ(いや、かなりかな?)軌道修 正されて、ちょうど良い所に落ちついてくれました。  そして、そうやって落ちついた舞台設定が、結果としては、かなり曲者な登 場人物たちを、思いのほか足を地につかせる結果となって、面白い話になって くれたんじゃないかと思います。  この映画は、もうその時点で勝利だったのでしょうね。  その中で、お気に入りは、「妹」かな。(笑) あのネタだけは何度も出て きてくれて、笑わしてくれました。(笑)  そして、美味しい所だけ持っていく、旦那にも拍手。(^^) 〜〜〜〜〜〜 99/02/14(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜』(2013)

(2014/01/04記) 『AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜』(2013)を観ました。 (2014/1/1 at WOWOW録画) 原作は既に読んでいての鑑賞だったのですが、個人的にはもう少し欲しかったかな。 原作ものの映画化として王道的な作りではあるのですが、この演出がしたかったので あれば実写の方が良かったのではと思えてなりません。 個人的に一番好きなところがやけにあっさりスルーされたのも今一つと感じてしまった 一員となっているかな。 あれじゃあ何故あのクラスに何人も中二病的な子達が多かったのかとか、屋上のあれに 対するオチもスルーとか、そこらへんのオチの付け方が好きだった身としてはがっかり です。 あと、屋上アートはあれだけのものにするのならシャフトの作品みたいに世界そのものの 背景を徹頭徹尾大仰なものにしてしまわないと中途半端にしか見えない。 ラブストーリーな面を強調したかったのかなとは思いますが、だとすれば、例えば二人が 警備員に追われて隠れている時の密着に対する女佐藤の無頓着と男佐藤のドキドキとの 対比とかそこらへんをもっと強調して欲しかったとか、何か原作を面白いと思って脚本 作ったのかなこの人はという感じがしてなりませんでした。 好きな作品の映画化を観るのって難しいよね。

『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ—アルス・ノヴァ—DC』(2015)

(2015/09/24記) 『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ—アルス・ノヴァ—DC』を鑑賞しました。 (2015/09/23 at TOKYO MXTV) テレビアニメの方は本放送後何回も再放送されてはいるのだけれど観ていないので 久しぶり。 本編の3分の2くらいはテレビアニメの総集編のようなもの。 残りが来月公開のカデンツァに続く導入ということでこの時期にテレビ放送は妥当な 展開。 さて、こうやって見せられるとテレビアニメの方をまた観たくなるなあ。 クライマックスな部分は結構尺を取ってはあるのだけれど、それでもね。 一方で劇場版化されていることで味わえる経験に関して言えばテレビで見ている時点で というのはあるのでううむ。 さて、オールCGでセルルック(というのか?)な2年前(だったよな)の作品としてみると、 今でも違和感ないのはさすが。 新作予告との整合性も取れていたしね。 で、学習した霧が選んだ新たなメンタルモデルは生徒会。 というかメンタルモデルはすべてオヤジの趣味なのか? 鍵になるであろうことは予想していたが思ったより早い登場だったな。 さて大和がラスボスとなるのかな? 前哨戦でカデンツァが武蔵か。 あ、唐突に思い出したが久々にキリクマじゃないキリシマをみた。当然誰だか 判らなかった。 ヒエイがあそこまでコンゴウに思い入れがあったとは。 イ400は復活させるのかな? なあんて感じで細かい話は尽きなかったのでした。 --2019/08/13追記-- (2019/08/13 at AT-X録画) 本作品を観たのは次作であるカデンツァ公開の少し前のテレビ放映時以来。 結局カデンツァは見ずじまいだったのでこれでようやくの連続鑑賞となる。 という状況でのこのDCの鑑賞。 3分の2はテレビアニメのダイジェスト。 それもそのテレビアニメを見た人間が概要を思い出す程度のもの。 コンゴウ戦くらいになるとしっかりやっていたけれどね。 そしてその先。 交渉条件を誇示した上で霧の一段上の存在と接触を図ろうとする。 誇示にとどめたのは作中でも明言されたその後の人類同士の覇権争いにこの 兵器を使わせないため。 群像はその先に父親の意思と当たる事を想定したからその状況に持っていったのかと 思っていたが彼が出て来たのは想定外という反応だったな。 誰であれそうであろうと踏んだか単純に額面通りか。 カデンツァはそこらへんも意識しながら見るかな。 今観るとこのサンジゲンのCGがこの後どういう形で分岐し進化していったかという事が 改めて観ることが出来てそれもそれで楽しい。

『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ —アルス・ノヴァ— Cadenza』(2015)

(2019/08/13 at AT-X録画) いきなりのあれは何かと思ったがそういう事か。 しばらくは勝手に未来かと思っていた。 そしてそれがすべての謎の終着点。 何故がここまで気持ち良く消化されるとは思っていなかった。これは素晴らしいな。 あれだけ荒ぶっていた生徒会の5隻。そもそもが一番人間の影響を受けていた武蔵に 近い所にいたからああなるのも当然なのか。 そしてだからこそ沈まずに生きたか。 本来の潜水艦としてイ401が行動する所が見られるとは思っても見なかった。 やはり潜水艦映画はこうでないと。 さらには大和対武蔵の砲撃戦なんて何をもって至福の時間とするかをちゃんと わかってらっしゃる。 演出面で言えばウラジオストクのシーンが特に良かった。 最終的にそこだと説明されるまでそこはどこかとは明言されないのだけれど作戦の 最終目標と風景から何となく分かるんだよね。野暮なことせずに進んでいく事が できる話というのはやはり至高だよ。 最後のあのシークエンスに突入する前に、何となくそれが可能である事を示すのも 好きだったりする。 その最後の1ピースを持ってきたのも他ならぬ武蔵なんだよな。 まあ一番やられたと思ったのは何故イオナだったのかという所に尽きるけれどね。 我ながら予想以上に気に入ってしまった。

『青空に一番近い場所』(1994)

(94/11/13記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  こんにちは、Wさん。KANAMEといいます。  Wさんのコメントを見て、「以前鴻上さんがTVで(トーク番組だったと思 います)宣伝していた映画はこれだと気付き、鴻上さんの映画『ジュリエット ゲーム』と『ボクが病気になった理由』のワンエピソードがとても気に入って いる私は、やっとこさ観に行ってきました。けれども、この映画はもう上映が 終わっているんですね。悲しい・・・。  休日である11/3に行ったせいか、映画館は若い人でいっぱいでした。隣 の映画館では、最近この会議室で盛り上がっていたものがかかっていましたが 、少し客の入りが悪かったような気がする。・・・少し外れてしまいました。  まず、最初に思ったのはキャスティングが良かったなあということです。特 に三浦友和は本当に生き生きとしていました。こんなに生き生きとしている三 浦友和を見るのは、私は初めてです。  そして学生服もスーツも似合う(?)吉岡秀隆、久々に見た欽ちゃん走りの 真屋順子、そして私の好みの長谷川真弓...。  それでも私は、途中までは何か今一つだったのですが、長谷川真弓が正体を 明かしてからは、あの『ボクが・・』の鷲尾いさ子の『xxx』コールに匹敵 する爽快な感動が。  この時点で観に来てよかったなあと思いました。ありがとうございます。W さん。

『明日に向かって撃て』"Butch cassidy and the Sundance Kid"(1969)

(2008/10/04 at BS朝日)   (2008/10/04記) 『明日に向かって撃て』を観ました。(2008/10/04 at BS朝日) 少なくとも10年以上ぶりだな。15年、いや20年以上ぶりかもしれない。 BS朝日と聞いて、もしかしたらノーカットかもと思ったけれど、CMは 入るわの状態での鑑賞。字幕であったのがある意味救いだったぐらいか。 いや、昔観た時よりもフィルムの傷みなんかもなかったぞ。(ちょっと 暗かったけれど。) コンラッド・ホールによる美しい映像といかにもバート・バカラックな 音楽に身を委ねながら、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォー ド、そしてジョージ・ロイ・ヒルの名コンビネーションを観る事ができ る至福の時間を過ごさせていただきました。 思えば中学生の頃好きだった女優といえばキャサリン・ロスだったし、 エアチェックした「雨にぬれても」の歌詞を耳コピして歌っていたのも 懐かしい。 こんなにも美しくて楽しく、格好よくて哀しい作品だったんだなと改め て思い知らされました。(何故か観た回数はあまり多くないんだよなぁ。 『俺たちに明日はない』のほうがよっぽど観ている。) ああ、何かいろいろ思い出してきたぞ。 昔ロードショーだかスクリーンだかの付録か何かで、何本もの映画の ストーリーが書かれたものがあって、本編観る前にこの『明日に向かっ て撃て』やら『俺たちに明日はない』やらを読んで、いつか観る日を 楽しみにしていたことがあったっけ。 話自体はそんなに複雑な話じゃないけれど、ただひたすら二人が格好 よくって、そしてそれ以上に強いエッタ。 この三人の物語を初めて観た時の日々を懐かしみつつ、そしてそれ以 上に、改めて映像の美しさと音楽の良さに身を委ねていました。 青く澄んだ瞳を持つポール・ニューマンよ安らかに。

『アタックナンバーハーフ』"Satree-Lex"(2000)

(2001/05/02記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『アタックナンバーハーフ』を観ました。(2001/05/01 at 渋谷シネ クイント)  この映画館(シネクイント)での前作である『ギャラクシークエス ト』の入りも良かったし、その中でかかっていた本作の予告編もなか なか良かったこともあって、これは混むかなぁと思っていたら、GW の真っ最中とはいえ、平日の昼間の回に行ったにも関わらず、結構、 人の入りは良かったです。平日の夜や休日は混んでそうだなぁ。 (以降、内容に触れます。)  さて、観る前に実は「テーマ性」が明確に出てきそうだなぁとか、 「スポ根」的な話になるかもしれないなぁとか心配していたのですが、 それはすべて杞憂でした。  押しつけがましいところは一切なし! これは単純に楽しめる映画 でした。  無論、テーマ性が話において重要な要素ではあるのですが、それを その事に限っての話にせず、すべての物事において共通する事を語る ための手段として使っているところが、ある種、目から鱗でした。 演技においても、ともすれば陥りがちな過剰な部分はまったくなく、 自然であったことも好要因かな。  そして、スポ根的な部分も、これまた思ったより自然で、話を支配 していないんですよね。これも、あくまでもたまたま状況がこうであ っただけという感じ。もちろん、最後には話を盛り上げるための重要 な要素にはなるのですが。  では、この映画、いったい何を私に訴えかけてきたかというと、 「人生を楽しみたおすには、まだまだ修行が足りないな!」 といったところでしょうか。(^^) 個人的には、ジュンちゃんのキャラクタに脱帽だなぁ。 精進しなきゃあねぇ。(^^) kaname(CXE04355)

『悪魔の手毬唄』(1977)

(2007/04/30記) 『悪魔の手毬唄』を観ました。(2007/04/30 at NHK-BS2) しかし改めて観ると、メインの話そのものは伏線張りまくりの シーンがいろいろとあって、ある意味謎解きに関しては判りや すく(ただし人が多すぎてぐちゃぐちゃと)しているのだけれ ど、まぁこの作品はそれよりもただただ映像と役者に身を任せ ていれば、それだけで幸せになれる作品だよなぁ。 懐かしい役者たちと時代を背負った映像を堪能させていただき ました。 その展開に判っていながらもうるうるしつつ。

『あげまん』(1990)

(2006/01/03記 at Production note of ...) 『あげまん』(1990) (2005/12/28 at WOWWOW)  扇動的なタイトルに対し思ったよりオーソドックスな展開のこの作品は 初対面。  いくつかの伊丹作品のようなマニュアル路線でも、数々の・・・という 形でもなく、基本ラインは主水とナヨコの物語でした。  本人に取ってその特性も良い事ばかりではなく、かといって悪い事もなく という形で淡々と書かれていくこの作品は、前作『マルサの女2』の反動 なのかな?

『明日があるさ THE MOVIE』(2002)

(2003/12/27記 at odoru.com 捜査員日誌)  『明日があるさ THE MOVIE』を観ました。(2003/12/27 at 日本 テレビ) よくよくみると、『LOVE LETTER』の酒井美紀と『スペーストラベ ラーズ』の浜田雅功に、『踊る大捜査線』の柳葉敏郎。 な〜〜んてことも考えながら、 「この設定のシリーズの中にこの話を突っ込むのは無理だよなぁ。」 「やりたい事はよく分かるんだけれどなぁ。」 と思いつつ観ていました。 しかし、どこかでいつの間にか火が付いてしまったらしい。 「闇夜の山中に浮かぶ火の柱」 「ぽかんと広い空」 「古い工場跡の天窓付近に吊るされた巨大なエンジン」 そういったものが、いつのまにかとてもいとおしく観れる自分に 変わっていた。 これは駄目だと思いつつも、そのいとおしさは変わらず心地よい。 こういう自分を突き動かしているのは、過去の、記憶なのだろうなぁ。

『アデルの恋の物語』"L'Histoire D'Adlele H."(1975)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)   これは観たくて観たくて、去年の9/23にルシネマで一日だけやると聞き、 狂喜乱舞してしまった。(さらにトリュフォーの奥さんのコメントまで聞けた し・・)  そして内容はうわさ以上の作品で本当に観る事ができてよかった。  本当にイザベルアジャーニのアデルは凄かった。あんな風に恋い焦がれて みたいと思いました。 KANAME(CXE04355)

『アパッチ砦』"Fort Apache"(1948)

(2017/08/18記) (2017/08/18 at イマジカBS 録画) ホント素晴らしい。 キャラクターや物語、絵作りなど奥行きの付け方からその美しさに至るまで惚れ惚れする。 例えばサーズデイ中佐がダンスシーンでは人一倍ノリノリのステップで踊っていたりするところ。 襲われた騎兵の遺体収容のシークエンスでの彼に対する観客の好感度の上げ下げの仕方。 それらを最後まで良い悪いの色を着けずにただひたすら提示するだけのところ。 観る人によっても観たときによっても感じかたの変わる様々なテーマ。 その細部に至るまでジョンフォードの素晴らしさに溢れている。 昔は『黄色いリボン』の方が好きだったのだけれど、今はどうなんだろうなあ。

『アベンジャーズ』"The Avengers"(1998)

(95/07/22記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  わくわくするような予告編と、豪華なキャスト。ショーンコネリーを悪役に使 うだなんて! そして、少しレトロな匂いのするこの作品は、すっごく楽しみでした。 そんなわけで初日に観に行ったのですが。(98/10/03 at WMC新百合ヶ丘) (以降、内容に触れます。) うーーーんと唸ってしまった。 それこそ、オープニングタイトルは、予告編以上にわくわくするものでした。 まるで空に浮かぶ雲のように、これからの映画を暗示する「形」が浮かんでは消 え、浮かんでは消え・・・。  ここ最近の映画の中では、一番良かったオープニングタイトルでした。 しかし、その後始まる本編は、まるで昔の外国TV映画の中の一話を、そのまま 間違えて映画館で上映してしまったかのよう。  とても単調になってしまって・・・。 それは、このシリーズのTVドラマを観ていた人には見事に復刻された一編にな っていたのかもしれないのですが。  逆に、制作者側の思い入れが強かったのかなとも思いました。 けど、それでもお気に入りの中に入るだろうな。 何故かって言えば、やはりあのオープングタイトル。本当に良かった! 〜〜〜〜〜 98/10/17(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『アポロ13』"Apollo 13"(1995)

(95/07/22記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『アポロ13』を観ました。あらかじめ予想は出来るクライマックスなので すが、それでも充分面白かったです。  それにしても映画館は寒かった。(丸の内ピカデリー1) 他の会議室でTさ んがおっしゃっていた(んでしたっけ?)通りでした。(^^;  さて、ここからねたが少し出てきます。(^^)  やはり、どうしても頭から離れなかったのが『ライトスタッフ』。同じよう な映画だとはまったく思っていませんでしたが、あちらも史実に基づいたもの 。どこかで重なるのではと思っていました。  そうしたら、いきなりあの「ガス・グリソム」が事故で死んでしまいました。 気がついたのは、それだけだったな。  さて、もうひとつ引っ掛かっていたのが、「エド・ハリス」。これを観に行 ったのは実はエドハリスがアポロ計画の映画に出てるというだけでです。やは り、あの映画は頭から離れません。そういう意味ではこの『アポロ13』は不 幸かもしれませんね。  けど、今回もエドハリスはよかった。その登場の仕方からして、一番敬意を 払われていましたものねえ。前半はエドハリスだけでした。  そして、後半を仕切るのはちょっとだけケビンベーコンとおいしい所はゲイ リーシニーズといったところですね。ケビンベーコンは、やっぱり今は何をや っても乗ってるなあという感じだし、ゲイリーシニーズはLt.ダンですもの ねえ。 逆にトムハンクスは抑えまくっていました。それだけでも豪華な映画だなあ。  さて、内容ですが、やはりこういう話と言うのはクライマックスが強いなあ 。けど、前半〜中半はちょっと中だるみしていたと思います。ロンハワードら しいと言えばとってもらしいのですが。(^^)  しかし、最近のこういう映画って、ますます作り物っぽいところが無くなっ てきたなあと思うKANAME(CXE04355)でした。

『アマルフィ ー女神の報酬ー』(2009)

(2009/07/22記) 『アマルフィ ー女神の報酬ー』を観ました。 (2009/07/21 at ワーナー・マイカル・シネマズ多摩センター スクリーン1) (以降ネタバレあり) アバンタイトルからタイトルへのカットの仕方があまりにも素人過ぎたりなところ (後半でもう一カ所あり)や、またせっかくシネスコでしかもイタリアの風光明媚な 場所目白押しな作品なのにCG前提の荒くて汚いDVD売りしか考えていないような絵作り などはまぁ置いといて、結構うまい脚本には少し惚れました。 ただ、その脚本もご都合主義過ぎる部分はちょろちょろ出始め(犯人側の計画があまり にも偶然頼りなところなど)うーんと思っていたところに警備会社としてそれでいいの かな拳銃の持ち込まれ方でとうとう挫折。 さらに警備会社・警察などプロオンリーな環境下で素人が銃出した時点で何故誰も射殺 しないんだ!というダメ押しが入り…。 ううむ。 ホント、良かったところが多かっただけに残念なところがあまりにもで、まるで本当は 面白い作品になるはずであったのが、誰か素人が手出し口出しして台無しにされてしまっ たかのような。 ただし、織田裕二演じる主人公黒田のキャラクタ設定は面白いのでシリーズ化するのは 面白いかもしれないな。

『アメリ』"Le Fabuleux destin d'Amelie Poulain"(2001)

(2002/05/017記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『アメリ』を観ました。(2002/05/01 at 銀座テアトルシネマ)  『ロストチルドレン』と『エイリアン4』が好きな私としては、このジャン =ピエール・ジュネ監督の相棒ともいうべきマルク・キャロが今回は加わって はいないものの、あいかわらずのテイストが見える予告編を見せられては、 「観に行くしかないでしょう。」という心持ちだったのですが、単館で大混雑、 そしてそのうえ、今度は全国規模での段階的公開という展開を見て、逆に見る タイミングを失っていました。今は混んでいるけれど、まだ観れるから、とい う理由。(^^;  まぁ、そんな事を思っているうちに、そろそろ収束方向にもなってきたこと だし、銀座テアトルシネマなんていう映画館にかかってもいるし、さらには、 水曜日だから1,000円で観れるではないか、ということで、行ってきました。  ただし、万が一混むかもしれないということで、朝1番の10時の回。 しかしながら予感は的中。朝一番というのに、満席の上、恒例の座布団まで出 る大混雑。  すべての映画館でいまだにこの状態とは思えないものの、やはりこの映画の 人気は凄いな、と思いつつ、鑑賞。 (以下、内容に触れます。)  で、まず、興味があったのは、キャロテイストが抜けて、どうなるか? と思ったら、ホント素直に抜けてしまったという部分と、逆に、これがジュネ テイストなのかと思う部分が出てきて、何か妙に一人で納得してしまいました。  バランスはやや悪くなっているものの、それがまた妙な味にもなっている。 いい雰囲気だなぁって思いました。  そして、その雰囲気ゆえかもしれないけれど、事前に聞こえてきたもしくは 宣伝されていたものよりも、ずっとアメリは普通の子で、おおげさに言えば、 上へ下への大騒ぎ的なものではなく、もっともっと、ずっと日常に根ざした、 その延長にあるもの。そして、ほんのちょっぴりの悪意。(というよりは悪戯 心というのが正しいかな。)  それがちょっとづつちょっとづつ重なって、けれども、そのいずれもが不完 全なままで。  それが、アメリに幸せが訪れると同時に、すべてのピースがきれいにまとま ります。ただし、そのちょっと前に動きだしたピースだけは、フライングした ままで終わってしまったようですが。 (あいかわらずな扱われ方のドミニク・ピノン。(^^))  そうだなぁ、私にとって一番共感できたのは、丸焼きしたチキンの一番おい しいところかな。  なんて事を思いながら、映画館を後にできる。これもまた、この映画のくれ た幸せの一部。 2002/05/01(水) kaname(CXE04355)

『アメリカの夜』"La nuit americaine"(1973)

(2008/02/20記) 『アメリカの夜』を観ました。(2008/02/19 at NHK-BS2) まさに、これぞ至福の時だわな。 あのオープニングから最後に至るまで楽しさに満ちていました。

『ある日どこかで』"Somewhere in Time"(1980)

(95/09/07記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  なにげなくテレビをつけていたら目に入った映画でした。たしかW OWOWだったと思います。  最初は古典的なラブストーリーだと思いきや・・・、これは本当に 泣けました。なんてせつないんだって。Tさんのおっしゃるように、 あのラストシーンは本当に心が痛くなりました。オープニングの「戻 ってきて!」が心に残っています。                               KANAME(CXE04355) (2017/12/02追記) (2017/12/2 at NHK-BS 録画) 久々の鑑賞。 どこを切ってもジョン・バリーな彼の楽曲と、ラフマニノフの「パガニーニ…」に 包まれているだけでも幸せな作品。 これも作家って奴はという作品でした。 たまにこの作品と『異人たちとの夏』だけ永遠ループしたくなる事が昔はよくあった。 彼女がロングショットでフレームインしてくるシーンが2回あるのだけれどその どちらもが素晴らしい。 どちらもその直前に仕掛ける構図となっているのだが、そこに彼女が嵌め込まれる だけで感情も音楽も高まるのが心地良い。

『アルマゲドン』"Armageddon"(1998)

(98/12/13記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『アルマゲドン』を観ました。(98/12/12 at 立川シネマシティ シティ2)  この映画に興味を持ったのは、まず、あの予告編の、隕石が落ちるシーンの、 映像と端整さとそれにマッチングした音楽ですね。スクリーン全体を使っての 引きの絵が、凄くきれいで、そこに重量感のある効果音と音楽が加わって、凄 いシーンになっている。これは、ぜひ、映像の質感がきちんと再現できる、T HXシアターで観たいなと思い、立川シネマシティまで行ってきました。 (以降、ネタバレあり)  さて、そのように、結構期待も込めて観に行ったのですが、一方で、この映 画のプロデューサ、ジェリー・ブラッカイマーの最近の作品、『ザ・ロック』 や、『コン・エア』の持っている、自分にとっては、間を外されるかのような 演出、台詞の応酬に、乗れなかった部分も多かく、不安もあると言えばある状 況ではありました。まぁ、『ザ・ロック』はそれでも、ショーンコネリーに対 する愛情というか敬意があって、良かったのですが。  そして、その予感というのは、見事に的中してしまいました。たとえば、 『ゴジラ』や、『インディペンデンスデイ』、『パルプフィクション』『博士 の異常な愛情』などの扱い方は、何か、紙に書かれたものを、とりあえずその まま、台詞と判りやすい映像で再現してみました、って言うおざなりのもので したし、ブルースウィリスに「60憶も人類がいるのに、なんでこの俺が。」 なんて台詞も、普通の状態で言わせても面白くもなんともない。あの台詞って、 傷だらけになった状態で、ひとりっきりの時に、愚痴みたいな形で出してこそ ブルースウィリスに言わせる意味があると思うのに。  そして、スティーブブシェミを椅子にぐるぐる巻きに縛りつけたいがために、 銃の乱射とかさせるのも、あまりに唐突過ぎて、なんだかなぁと言う感じにさ せられる。最初から死にに行ったとも言い切れないし、本当に錯乱していたよ うにも見えない。それも、ブシェミだから余計そう見えないと言う。(^^;  そういった、演出のまずさや、たとえば10Gの環境でベラベラしゃべれて しまうような部分(NASAもそれくらいは教えてくれなかったのか、それと も、彼らのあごが、普通の人間を遥かに越えて強靭なのか?)みたいに、緊迫 したシーンで、観ている方を素に戻らせてしまうようなところ。  その他にも、無駄な台詞の多さや、各キャラクタを書き分けようとしている のかしていないのか中途半端な部分・シーンの多さや・・・ああ、何か書き始 めると他にも出てきそうだな・・・なにか愚痴を言い始めたら止まらないよう な状態になっていました。  とても判りやすい前振りや、お約束の多さは・・・まぁ、いいんですけれど ね。  と、そんな状態で、『コンエア』なんかはまったく受けつけなかったのです が、この『アルマゲドン』には、それをものともしないくらいの良いところが ありました。  それが冒頭に書いた凄く端整な映像と、それを盛り立てる音響効果でした。 特に、シャトルの発射シーンなんかは、今まで観た同様のものの中でもずば抜 けてきれいなシーンだったし、そこから宇宙に飛び出してのシャトルの動きも ○でした。『ディープインパクト』は、一部何かセル画でも動かしているか のような動きのぎこちなさが少々目についたりもしたのですが、こちらのシャ トルの加速感なんかは大好きです。そして、そういうシーンの合間に、たとえ ば前述の10G環境下のおしゃべりが入って「あ、またか」って思っちゃうん ですけれど、それでも、前後の映像と音楽で、「まぁいいか」ってその時は思っ ちゃう。  そして、最初に書いた予告編でもかかる隕石の落下するシーンも、予告編の テンションそのままに、きれいなシーンが続くんですよ。凄く細かい。 NYや、パリのシーンはその細かさだけだったんですが、上海のシーンでは人 の息吹が感じられたし、その人の息吹というシーンでは、隕石落下が周知の事 実になってからの人々を見守るかのような優しいスローモーションのカットと、 優しい音楽。こういうのは大好きです。  そして、私自身の中でのお約束だろうと思っていた中で唯一裏切られたシー ン、ウィルパットン(『この森で天使はバスを降りた』!)が無事生還して、 のシーンも好きだな。  と言う感じで、まぁ満足していたのですが、エンディングロールが始まって からのあのシーン。音楽と相乗効果で泣かせてくれました。そして、それが終 わってから、そのロールの最後に流れる"Leaving on a Jet Plane"にも。 〜〜〜〜〜〜 98/12/13(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『アンタッチャブル』"The Untouchables"(1987)

(2008/02/28記) 『アンタッチャブル』を久々に観ました。(2008/02/28 at NHK-BS2) 冒頭からモリコーネ節炸裂の音楽に酔いしれ、ファースト・ショットでデ パルマらしさ炸裂、そしてオーバーアクトなデニーロから始まるという至 高の時間を過ごさせてもらいました。 もちろん、正当な使われ方をしているからこのコスナーは問題無。 復活のショーン・コネリーや今やこういう使われ方はすっかりなくなった なぁのアンディ・ガルシアなどもいいよなぁ。 などと思いつつもやはりこの作品は映画愛炸裂のデパルマに戻ってくる。 ワンシーンワンシーンがホント映画だよなぁと思わせてくれるデパルマに 感謝!だな。

『Undo』(1994)

(95/08/25記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  このフォーラムに入った頃からの念願、『undo』を観てきました。これ は、昨年の9月にシネスイッチ銀座で一週間のみのレイトショーを行った時に 観ることができなかったものなので。(その節はありがとうございました。A さん、Yさん。覚えていないでしょうけれども。)  さて、やはり期待以上の映画でした。ただ短編であったのがちょっと物足り なかったところかな。岩井俊二はやはりいいなあ。 以降ねたばれあり  この映画の中で一番気に入ったシーンは、山口智子(妻)が自分の編んでい たものと同化しているシーン。編んでいるもの=自分の夫に対する想いと同化 したいと強く願っていることが、とても出ていたと思いました。  また、キスシーンが多いのも(それもほとんど妻から仕掛けている)彼女が 夫を繋ぎとめておきたいと言う思いがそこら中に満ちていると感じた。  彼がキスにちょっと違和感を感じ始めてから、縛るという好意に熱中し始め たという感じであったし。  繋ぎとめておきたいと思っているものは他にもあって、それは彼との思い出 =写真であったり。 一方、彼が良く読む本に嫉妬して本を封印するために縛ったりもしてはいるが。  彼を繋ぎとめておきたいのに、彼にはそれがわからず、彼女のみを縛り続け ます。彼女は最後に彼を縛って、彼と同一化してしまったので見えなくなった のでは?などと勝手に考えていました。  縛ってはいるのだが、拘束すると言うよりは"STAY WITH ME!"という意味合 いの強い想い。そんなかんじがしました。 以上、またまた散文のKANAME(CXE04355)でした。