雑記帳


虫歯の新しい予防法


虫歯・・・・イヤな響きですね。

私は小さい頃はかなり虫歯がありまして、よく歯医者に行きました。かなり小さいうちに治療していったので、幸い地獄は見ませんでしたが。

さて、最近になって急速に「虫歯予防効果」があるとして発売されるガムが目立つようになってきたと思いません?

今までにあったものはせいぜい
  砂糖を含まないから虫歯になりにくい
と言う程度だったものが、最近のものははっきりと
  虫歯予防効果あり
としています。

いったい、何がどう違うのでしょう?

キーワードはキシリトール。

化学式はC5125で構造式は

    CH2OH
    |
 H ― C―OH
    |
 OH―C―H
    |
 H ― C―OH
    |
    CH2OH
となります。

原材料は・・・・樺の木とかトウモロコシの芯に含まれるキシランヘミセルロース。これを加水分解したりすると出来る、糖アルコールの一種です。
甘さは砂糖と同じくらい。カロリーは75%とか。

なぜ、虫歯予防が出来るのか?これを知るにはまず虫歯の出来る(防ぐ)メカニズムを知る必要があります。

虫歯の原因は酸・・・・ではなく、虫歯菌(ミュータンス菌)です。
砂糖が口の中にはいると、ミュータンス菌はその糖を食べて不溶性グルカンと言う、トリモチみたいなものを作ります。これが歯垢で、虫歯の元になります。
この歯垢で歯にくっついた虫歯菌は歯の表面で糖を発酵して酸を作り、歯の表面を覆うエナメル質(なんと硬さは鉄以上!!)の主成分であるリン酸カルシウムの結晶ハイドロキシアパタイトからカルシウムを溶かし出します。これが虫歯の第一歩「脱灰」です。
これに対抗するのが唾液。唾液は十分なカルシウムを含む上、酸を中和する成分もあります。これによって、歯に再びカルシウムを定着させる「再石灰化」が起きます。
再石灰化はあの『アパガード』で有名ですね。
この「脱灰」と「再石灰化」のシーソーゲームが崩れ、エナメル質が突破されると、めでたく「虫歯」の出来上がりです。

人間側としては「再石灰化」をすすめたいのですが、なかなかうまく行きません。

そこで出てくるのがキシリトール。

まず、キシリトールからは不溶性グルカンが作られません。発酵されて酸になることもありません。

これだけでも十分大きいのですがもう一つの効果があります。
その名を「無益回路」。

まず、ミュータンス菌がキシリトールを取り込むと、細胞膜でリン酸化反応が起こり、キシリトール5リン酸に変わります。
ところが、これが細胞内で加水分解されると・・・・無機リン酸とキシリトールになります。

ちょっと待て。
  キシリトールを反応させた結果キシリトールが出来るの?
そうです。ここがポイントです。

キシリトールはミュータンス菌が食べてもエネルギーにならず、そのまま細胞の外に出ていきます。しかも、エネルギーを無駄に消費して・・・・

早い話が、
  キシリトールはミュータンス菌にとってこんにゃくだった!
と言うこと。

結局、キシリトールのおかげでミュータンス菌は勝手に弱ってしまうわけです。

これだけの要素があれば虫歯予防も万全ですね。

しかし、キシリトールには欠点があります。それは、
  大量に摂取すると体質によってはお腹がゆるくなる
ガムの包装に書いてありますねぇ。私も結構来る方です。
十分注意しましょうね。

以上。



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