雑記帳


業務用コンピュータの華麗なる世界

今まであまり詳しく書いたことはなかったけど、私の会社で使っているコンピュータは業務用の大きなもの(汎用機と呼ばれる)がメインです。どのくらい大きいかというと、家庭用冷蔵庫くらいの大きさ。見た目もそんな感じでおまけに扉も開きます(笑)。
こうしたコンピュータって、その存在は知られていても具体的にどういうものかはあまり知られていないのが現状で、新入社員なんかもその実際のカタログスペックをみて驚いていたりします。

まず、CPUですが、これはそれぞれのコンピュータ毎に独自のものを使うことが多く、単純にパソコンのものと比較することはできません。また、パソコンに使われるCPUには無い機能を持っていることもあるため、単純に速い遅いを比較するのはあまり意味はないでしょう。

続いて、メモリですが、これが意外と幅があります。この間まで会社で動いていたコンピュータはメモリがなんと16MB。これで、何万件という処理をこなしていたのですから驚きです。最近導入したコンピュータはと言うとメモリが1GB。じゃあ、メモリが増えると安定するとかいうことがあるのかというとそういうことは全然なくて、ただ単に処理速度が変わるだけ。メモリ使用量を調べてみるとオンライン制御プログラムがKB単位で動いていて、つくづく某OSが無駄な動きをしているのがよくわかったりします。

次に、ハードディスクですけど、こちらは扱うデータ量に比例することもあって驚くほどの容量はありません。ディスククラッシュ時のことを考えるとあまり大きいハードディスクも考えものですから。しかし、その性能はパソコン用のものの追随を許しません。回転速度は6000回/分以上というのが10年以上前のディスク(最近のものはよく知らない)。で、接続可能台数ですけど・・・・これもよくわかりません。会社にあるやつには30台以上のディスクがついてますけど、設定なんかをみた限りではもっとつながりそうです。値段もすごくて1MBあたり100万円と言う素敵なお値段。365日フル稼働してもIOエラーのでない品質ですから当然と言えば当然ですか。

そして、最近では当たり前なのがネットワークの機能。対応しているプロトコルにちゃんとTCP/IPが入っているあたりがポイントですか(笑)。と言ってもどのネットワークプロトコルを使うかは相手先との取り決めなので何ともいえない部分もありますけどね。

一番おもしろいのがOSの性能でしょうか。複数のプログラムが同時に流れるなんてのは当たり前ですが、一つのプログラムが異常終了したからといって他のプログラムを巻き込むとかOSごと落ちるとか再起動しないと直らないなんていう情けないことはありません。と言っても異常終了する原因に「一般保護違反」とか「ページ違反」なんてありませんから、何とも言えませんけど。

等ということをチャットでやりとりしていたら話題が変わっていきました。それは

汎用機にコンピュータウィルスを作ることは可能か?
と言うもの。いろいろと考えたのですが、かなりやっかいと言うのが私の出した答えでした。

理由1:開発環境を整えるのが大変
コンピュータウィルスを作るためにはターゲットとするコンピュータがないといけません。
これらの汎用機は不要になるとメーカーが回収し、部品のリサイクルをすることが多く、普通の人が購入するのはなかなかできませんし、購入するにしても値段もそれなりにします。

理由2:開発が非常に困難
コンピュータウィルスはコンピュータ・OSの内部構造を把握し、それらを直接操作することによって悪さをするプログラムですが、これらの情報はほとんど公開されていません(知らなくても使えるため)。

理由3:配布が困難
たとえばここに発病するとパソコンの中のファイルをすべて削除してしまうコンピュータウィルスが入ったフロッピーがあったとしましょう。このコンピュータウィルスに感染するとしたらいつでしょうか?
1フロッピーを差し込んだとき
2フロッピーの中のファイルをハードディスクにコピーしたとき
3フロッピーの中のファイルを開いたり実行したりしたとき
もちろん正解は3です。で、汎用機の場合「プログラムをどこにおくか」「データはどこにおくか」はそれぞれの会社でルールを用意していて、「必ずここにある」と言うことはありませんので、ウィルスの入ったプログラムをおく場所がなかなかわかりません。

理由4:動かない
仮にウィルス入りのプログラムをうまいこと送り込んだとしてもそのプログラムを実行してくれるかどうかは神のみぞ知る、です。ほとんどの場合、プログラムを実行するにはJCLと呼ばれる言語でジョブを作り、それを実行しなければなりません。しかも、そのジョブを実行できるのはコンソールと呼ばれる装置(パソコンみたいなものがある)か、ジョブを実行できる環境となっている端末のみで、ネットワークから侵入して完全な遠隔操作はほとんどの場合できません。結局ウィルスを持ち込むのも実行するのも直接コンピュータのところまでいかなければなりません。

とまぁ、こんな理由ですけど、そもそも直接コンピュータのところまでいったなら、ディスク初期化の処理をさせた方が確実です(笑)。苦労ってなかなか実らないものなんですね。

以上。



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