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ちびアムロシリーズ
Z-GUNDAM総集編
SCOOP!
LE GRAND BLUE
第一弾
第二弾
第三弾
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ちびアムロシリーズ
シリーズNo
設定内容
ちび年齢
第一弾
アムロがブライトとミライの子供だったら・・・
5〜12歳前後
−−−−チビアムロシリーズ総集編(『SEE YOU AGAIN』)より抜粋−−−− 地球では珍しい程の自然の緑が豊富な赤道近くに位置する【クリーン・セクション】には、僅かな別荘らしき家があるだけの人口一万人にも満たない小さな都市というより町であった。 【クリーン・セクション】の東にある2区にはもっとも緑が密集した森林が広がっていた。 森の中を人工的に作られた道筋を4、5才ぐらいの少年が木々の葉の間から漏れる太陽の光を浴びながら、一人で森の奥へと進んでいった。 癖のある茶色髪の少し大人びた瞳を持った少年であった。 「エッ!」 少年はふと何かに呼ばれた感じがして立ち止まった。 「誰?」 辺りを見回したが自分を呼ぶ声の主は何処にも見当らなかった。 「ラァ、ラァ?」 突然、頭の中に響いてきた音を少年は一文字ずつ区切って声に出した。 「ララァ、ていうんだね。」 少年は自分を呼んでいる人物が誰なのか理解していた。 何か優しい気が身体の回りに漂っているのを感じた。 「ララァ。」 その自分を優しく包んでくれる気に向かって言った。 『アムロ』 「エッ?僕の名前知っているの?うん、そう、僕、アムロっていうんだ。アムロ=レイ=ノア」 アムロは邪気のないほほ笑みを浮かべて雲一つない青空にむかって言った。 『アムロ』 「どうしたの?ララァ、そうだ、遊ぼうよ。鬼ごっこしよう。ララァが初め鬼だよ。百数えてね」 アムロは駆け出した。ララァがしばらくして追い掛けてくるのが解った。アムロは息を弾ませながら鬼から逃げた。だけど、そのうち、アムロはララァに捕まってしまった。フワァとした暖かい気がアムロを包んだ。 「ハァ、ハァ、ハァ、ララァは、ハァ、速いね、ハァ、ハァ………」 息を整えながら何もない空間に向かって言った。 「今度は僕が鬼だよ。……ララァ、どうしたの?」 包み込む気が悲しみを感じさせた。 「何処にいくの?遊ぼうよ、………、帰る?何処へ?………―宇宙へ?…… …どうして?ここにいてよ、………行っちゃうの?」 アムロは泣きそうな声で言った。 「また会える?………そうだね、また直ぐに会えるよね、……解るよ、ララァ………僕には解るよ」 アムロを包んでいた優しい暖かな気は名残惜しそうに宇宙へ戻って行った。 「また会えるよね、ララァ………だって、また会えたのだから……」 アムロは眩しげに空を見上げた。 【END】95/1/8 −−−−チビアムロシリーズ総集編(『SEE YOU AGAIN』)より抜粋−−−−
第二弾
アムロがキャスバルの養子だったら・・・
5〜6歳前後
−−−−ちびアムロシリーズU本編総集編(第一話『邂逅』)より抜粋−−−− 空から雪が降り始める頃、アムロは遠い記憶の中にある光景を思い出すことがある。 誰もいない家で一人、唯一の肉親である母親を待ち続ける自分。 その出来事は、ある日突然起きた。いや、突然ではないのかもしれない。起きることは薄々、わかっていたのかもしれない。だが、それが起きる事を、考えないようにしていた。そう、その結果、自分が本当の意味で一人となってしまうことを心の奥底で否定したかったから。 しかし、アムロは、家の中に一人、取り残されたままだった。 1日、2日と一人でいる日数を指で数えていた。右手の指が足りなくなると、今度は左手の指を使って。そして、右手の指全てと左手の指2本を超えた時、もう、数えることを止めてしまった。母がいなくなったことを、理解するのにそれ以上の日数は必要ではなかった。アムロは、日々の空腹感を補う為に水を飲んだ。できるだけ、体力を消耗しないようにベッドの中でじっとしていた。 窓から見える景色からは、これからの寒さを暗示させる雪が降り始めめていた。そして、日々が過ぎるうちに、ベッドからでることもできなくなり、指先すら動かすことができなくなった頃、家のドアが叩かれる音が聞こえた。 アムロは、意識を失う寸前の遠くでその音を聞きながら、このまま自分が消えてしまうのだと思いながら、全ての外壁から自分を切り離してしまった。 数日後、アムロは、気がつくと暖かい部屋のベッドの上に寝かされていた。 知らない天井と知らない部屋の中で、知らない人達がアムロの周りにいた。彼らは、幼いアムロが傷つかないようにできるだけ優しい言葉を選んでアムロに、今のアムロの置かれた状況を説明してくれた。 その結果、アムロの中で理解したことは、母親がアムロを捨てて遠くへ行ってしまったということと、アムロが一人となってしまったということだけだった。 アムロは、いなくなる一週間前ぐらいに母とその恋人が自分のことで争っていたことは知っていた。 そして、その恋人が自分か子供のどちらを選ぶかの選択を母親に迫っていたことも。 今、自分がここに残されているということで、結果は考えるよりも明らかだった。 母は弱い人だった。子供であるアムロに見向きもせず、ただ、自分を愛してくれる人を求めていた。 そんな母をアムロは憎むことすらできなかった。それは、子供が無条件に寄せる母親への思慕がそうさせたわけではなかった。 もともと、アムロは、喜怒哀楽という感情の起伏を殆ど持っていなかった。そんな、アムロを母は母親として愛することができなかった。 愛されたことのないものが愛という感情すら解らないのにそれを望むのは無理というものだった。 アムロは、それから、自分と同じように親に見捨てられた子供の住むホームで暮らすことになった。 そこでも、アムロは感情を表すことはなかった。 アムロにとって、自分を保護する存在が、自分を守ってくれるとは限らないと身をもって知っていたから、アムロは周りとは距離を取ることを覚えた。 自分が傷つくことがないようにするには、誰とも関わらないでいることが一番良いことだと無意識に感じていた。そんなアムロに、誰もが人に愛されることを望んでいる中で初めから愛されることを望むことすらできない子供に愛情が向けられることはなかった。 素人目に見ても年代ものが揃う部屋の中にまさしく、その主に相応しい青年がソファで寛いでいると、部屋のドアを乱暴に開く女性が入ってきた。その女性の面差しは部屋にいる青年とよく似ていた。 「兄さん!何こんな所で寛いでいるの?」 奇麗な顔に似合わず目を吊り上げるかのようにその女性は青年に詰め寄った。 「やあ、アルテイシア、元気か?」 青年は妹の剣幕を全く気にすることなく、窓の外に降る雪景色を眺めていた。 「やあ、ってあのねぇ、一体兄さんは何でここにいるのよ、あんなに念を押したのに。忘れたわけではないでしょう?」 あまりにも寛いでいる兄に先程までの剣幕を潜めて、呆れ顔で兄を見た。 「デギン叔父様は、かんかんにお怒りよ、自分の顔に泥を塗るのかって!」 「やれやれ、俺はまだ結婚する気はない。とはっきりと断った筈なのだがな」 そう言って言葉を一旦区切った後に、不満そうな顔を浮かべ言葉を続けた。 「大体、跡継ぎなんてお前の子供でいいだろうに、別に俺の子供でなくても」 そんな兄の台詞にアルテイシアはあっさりと言った。 「いやよ、私は貧しくても幸せな家庭を築くのが夢なの!その為にはこの家は邪魔でしかないわ」 その言葉に、我が妹ながら言うことがきつい奴だと首を竦めて、さてどうするかと天井を仰いだ。 「全く、金などあるだけ無駄だな。しかたない、俺は結婚する気はないし、お前はこの家に残る気がないということはだ、継ぐ相手を探すしかないな。デギン叔父に渡す気は更々ないからな」 兄の言葉に驚いたアルテイシアは、兄に詰め寄り言った。 「最後の言葉は同意するとして、女性を不幸にするのだけは許さないから」 妹の的外れな言葉に苦笑しつつ青年は答えた。 「まぁ待て、何も血筋に拘らなくてはならないことはないだろうよ」 「え?どういうこと?」 兄に詰め寄るのを止めて、アルテイシアは、兄の次の言葉を待った。 「養子を取るのさ」 さも素晴らしい事を思いついたかのように、意地の悪い笑みを浮かべた兄を見て、アルテイシアは、兄の言葉に呆れを通り越して、その突拍子もない考えに大きく溜息を付いた。そして、アルテイシアの頭の中では、綺麗な大きな放物線が描かれて匙が投げられた瞬間だった。 −−−−ちびアムロシリーズU本編総集編(第一話『邂逅』)より抜粋−−−−
第三弾
アムロがキャスバルとアルテイシアの兄弟だったら・・・
10歳前後
−−−−ちびアムロシリーズV@【進級】より抜粋−−−− 今日から新学期となり、校舎の入り口の掲示板には、新しいクラス表が張り出されていて、いつもなら、素通りする場所には、沢山の生徒が集まっていた。 人を掻き分けて掲示板まで辿り着くことを考えて途方に暮れていると後ろから背中を強く叩かれた。 「よっ、アムロ!」 「イタッ」 叩かれた痛みに顔を顰めながら、アムロは後ろを振り返った。 「おはようさん」 全く悪気のない顔を浮かべた幼稚舎からの腐れ縁(幼馴染)のカイ・シデンがいた。そんなカイにアムロは不機嫌そうな顔を浮かべた。 「なに、朝から不景気な顔してるんだ?」 「誰のせいだ。誰の!」 叩かれた背中を擦りながら抗議の声を上げた。 「ハッハッ。まっ、気にするな」 アムロより背の高いカイは、アムロの頭を今度は軽く叩いた。その手をアムロは邪険に振り払った。 「お前が気にしろ!タクッ。朝からお前と遊んでいる暇はないんだ」 いつもより機嫌が悪いアムロにカイは肩を竦めた。 「何を不貞腐れてるんだ?」 「来るのが遅れたせいで、クラス表を見損ねたんだ」 アムロの言葉にカイは一瞬、不思議そうな顔を浮かべると掲示板の人だかりと憂鬱そうにその人だかりを見ているアムロを見比べた後、一瞬考える仕草をすると人の悪い笑みを顔に浮かべた。 「まぁまぁ。機嫌直せって、代わりに新しいクラスのことを教えてやるからさ」 アムロはカイの話に乗るのは気が進まないが、未だに混雑している掲示板に向かう気力はなかったので仕方なくカイの話に乗ることにした。 「わかった。じゃぁ、それで今回のはチャラにしてやる」 「そうこなくっちゃな」 アムロが話に乗ってきたのに気をよくしたカイはアムロの肩に腕を回した。 「さて、どこから聞きたい?」 勿体つけた口調でカイが言った。 「どこからって、何が?」 アムロは、カイの口調に嫌な予感を浮かべながら、カイの言葉を待った。 「先生のスリーサイズか年齢か?」 「・・・」 カイの言葉にアムロは、眉間に皺を寄せ睨みつけると、肩に掛けられたカイの腕を剥がし、その場から立ち去ろうとした。 「そんな、情報ならいらない」 「まぁ、待てって。冗談だって」 アムロの腕をカイは慌てて掴むと、アムロを引き戻した。 「冗談は好きじゃないし、お前に聞こうとした馬鹿さ加減に自分で呆れている所だから気にするな」 そう言って再度、カイの腕を引き剥がそうとした時、後ろから声が掛けられた。 「アムロ、カイ?何、二人で遊んでるの?もう直ぐ、予鈴が鳴るわよ」 二人同時に声の主を振り返ると、カイと同じ幼稚舎からの幼馴染となるフラウ・ボウが呆れた顔を浮かべていた。 「別に遊んでない」 アムロは不機嫌な口調でフラウの言葉を否定した。 「そうね。カイが遊んでるだけかもしれないけれど、時間もうあまりないわよ。教室に行かないの?初日から遅刻する気?」 的確にカイとアムロの関係を指摘しつつ、フラウは、校舎の時計を見上げて二人を促した。 「まだ、クラス名簿見てない」 アムロが困ったような顔を浮かべた。すると、フラウは、アムロの言葉をゆっくり解釈した後、首を傾げた。 「何言ってるのアムロ。今年は、持ち上がりだから学年が上がるだけで、クラスは変わらないわよ?」 「えっ?」 フラウの言葉にアムロは、驚いたように声を上げたのを見て、フラウは呆れたような顔をして小さく溜息をついた。 「アムロ。新学期そうそう、ボケ過ぎ。夏季休暇前の終業式の時に先生から言われてたじゃない」 フラウの後ろで声を殺しながら肩を震わせて笑っているカイの姿に見て、アムロはカイに騙されたことに漸く気づき睨みつけた後、フラウの言葉に自信なさげに答えた。 「そうだったかもしれない」 「そうだったかもじゃなくて、そうなの!」 そうアムロに言い切ると後ろで笑い続けているカイを振り返った。 「カイも笑ってないで、教えてあげなさいよ」 笑いが漸く止まったカイがバツの悪そうな顔を浮かべた。 「いや。だって、な。本当に忘れていると思わなくて、つい」 カリカリと頬を掻きながら、フラウの視線から逃れるようにあらぬ方向を見つめた。 「まったくもう」 フラウが大きく溜息をついたと同時に予鈴のチャイムが校舎から響いてきた。 「あっ、大変。さぁ、二人ともさっさと教室へ行くわよ」 いつの間にか掲示板の前の人だかりも消えて、アムロ達の他には数人の生徒しか残っていなかった。 「まったく、遅刻したらあんた達のせいだからね」 そう言って二人を睨みつけると、フラウは校舎へと駆け出した。その後、アムロ達も慌てて追いかけた。 −−−−ちびアムロシリーズV@【進級】より抜粋−−−−
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設定内容
カミーユ・ビダン中心のストーリー(ちびカミ度数高め)
−−−−Z−GUNDAM総集編(『未来へ』)より抜粋−−−− 『フォウが死んで一ヵ月が経とうとしていた。俺はこの自分が育った場所【宇宙】へ戻ってきた。 あの日、フォウが俺を庇って倒れたとき俺は彼女をとうとうあの苦しみから死という形でしか救うこと出来なかった。何もかも捨てて、彼女をもっと早く連れ出していれば良かったと何度も自分を責めた。 だけど、いくら自分自身を責めたとしても過ぎてしまった過去はどうすることも出来ないのだという事実だけが残った。 フォウの最後はとても安らかに見えた。 けれど、本当に?フォウは俺と出会って良かったのだろうか? 結果的に言えば、俺がフォウを殺したようなものではないだろうか? そう、これは俺が一番恐れていた事実。 もし、俺がフォウと出会わなければ、フォウはもっと生きていられたのかもしれない。 違う!、あんな生き方をフォウは望んではいなかった筈だ。 もし、おれ達が出会わなかったら、フォウはきっと狂っていただろう。 強化人間だといっても人間に変わりはない。 ただ、薬によって知覚や運動機能を活性化させたにすぎない。 だから、精神に無理がきてしまい催眠療法でそれを誤魔化して戦いに送り出そうとする。 何故、そこまでして強化人間を作り出そうとするのだろう?何故、人の命をその人の人生までも狂わせてまで求めるのだろう? その先にいったい何があるのだろうか? 強化人間を作り出したからといって、ニュータイプを作り出したことにはならないだろうに。 だいたい、ニュータイプはただ人類の進化の現われでしかないのに。 誰もがいつかそうなるはずの形でしかないのに何故? 解らない、解らないよ、フォウ。おれ達は何故、普通に出会えなかったのだろう。フォウ、君は幸せだったのかい?俺と出会えて。 今だに俺の腕に君の体温が失われていったときの感触を明確に思い出すことができる。 君は何も語る事無く、俺の腕のなかで既にこときれていた。 俺は不安でたまらなかった。おれ達が出会ったのは本当に良かったのだろうか? 宇宙に戻っては来たが、心は今だに君を抱き締めて泣いたあの場所に置き去りにしたままだった。 フォウ………』 カミーユはそっとペンを置いて、日記を閉じた。 日記の内容は殆ど文章ではなくカミーユの心の中に蓄まっている感情をはきだすような、とめどもない書き方をしていた。 −−−−Z−GUNDAM総集編(『未来へ』)より抜粋−−−−
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タイトル
設定内容
SCOOP!
「地球へ・・・」が実写で映像化されたら・・・
−−−−SCOOP!(『DESTINY』)より抜粋−−−− 診察台の上に横たわるジョミーに向かって、フィシスはゆっくり近づいて行った。フィシスが通り過ぎた扉が静かに閉じると部屋の中には、ジョミーとフィシスだけになった。 フィシスはジョミーの枕元に手を置くと、悲しげな表情を浮かべた。 「ジョミー。おお、ジョミー・・・」 深層意識の底へ自分が必要とする答えを求める為に意識を沈めてしまったジョミーの顔は喜怒哀楽を失くしたかのような無機質な人形のような表情を浮かべていた。 「私にあなたが追えるかしら」 両手を広げるとフィシスはジョミーの胸を包み込むかのようにそっと重ねた。 「あなたがすべての人との繋いでいた手を切った時、あなたの思念波(テレパシー)が一瞬私をかき乱した」 フィシスの透き通る様な声が部屋の中に響き、一瞬の静寂な空気を醸し出した後、ゆっくりと息を吐くかのようにジョミーに語りかけた。 「あれは・・・私を呼んだのだと・・・信じます」 フィシスの意識がジョミーの深層意識へ入り込んでいったかのようにフィシスは顔を俯かせた。 天井からの光が神々しい光のようにジョミーとフィシスを照らした。 「はい、カット!」 突然、メガホンを持ってカメラの前に座っていた監督が大きな声で撮影の終了を告げた。暗闇だった部屋に明かりが灯り、ジョミーとフィシスしかいないような雰囲気を醸し出していた場所は、撮影用の機材が所狭しと隠れている撮影所の姿が現れた。 「シーン326終了しました。本日の撮影は終了です。お疲れ様でした」 ADが丸めた台本を振り現場スタッフへ終了の合図を送った。明るくなった現場は、さっきまでの静けさが嘘のように騒がしい声が響き渡った。 フィシスは、俯いていた顔を上げ閉じていた瞳を開けようとしたが、突然飛び込んできた照明の光に一瞬目を細めた。暫くすると、光の明るさに慣れ漸く目を開いた。 「フィシスさん。お疲れ様です」 カメラの後ろで控えていたフィシスの付き人がタオルを持ってフィシスの傍まで来た。 「ありがとう」 差し出されたタオルを受け取ると優しく微笑みを返し、受け取ったタオルで額に浮かんでいた汗を拭った後、ふと、傍で横たわっているジョミーに視線を向けた。 「ジョミー?」 騒がしく片づけを始めている傍でまるで撮影の世界に溶け込んだままのように横たわっているジョミーに声を掛けたが、ジョミーの胸は規則正しく上下していた。 撮影が終わるといつも元気よく動き回るジョミーがまるで本当に寝ているかのように微動だにしなかった。 「寝ているかしら?」 フィシスは自分が思いついたことを声に出していた。付き人がフィシスの言葉に驚いたようにジョミーの顔を覗いた。 「フィシスさん。ジョミーさん寝ているように見えますよね」 フィシスは、付き人と顔を見合わせると再度、じっとジョミーの寝顔を覗き込んだ。周りの騒がしい音に掻き消されそうではあったが、ジョミーの鼻から「スースー」と気持ちよさそうな鼻息が漏れていた。 「あらあら。本当に寝てしまったみたいね」 ジョミーのあまりにも気持ちよさそうな寝顔に半分呆れながらも、微笑ましく思えてフィシスは優しい笑みを浮かべた。 「でも、このまま寝かせておくわけにもいかないのよね」 フィシスが困ったような顔を浮かべていると後ろから声が掛かった。 「フィシスさん。お疲れ様です」 「あら、キース。お疲れ様です。他の用事はもう済んだの?」 「えぇ。つい先程漸く」 フィシス達の前に今日の撮影を終えて、今回のドラマ「地球へ・・・」の雑誌取材を受けていたキースが現場に戻ってきていた。 キースは少し伸びてきた髪をかき上げると疲れたように小さな溜息をついた。 「相変わらず、取材嫌いみたいね」 キースのゲンナリした様子にフィシスは、苦笑を漏らした。 「ドラマに関する質問だけなら良いのですけどね」 先程の取材の内容を思い出してかキースの眉間に自然と皺が寄っていた。 「仕方ないわね。主役は注目されるものよ」 取材の内容がキース自身に関することが大半だったのを推測したフィシスは労わる様に微笑んだ。 「そういうものですかね。俺としては、ドラマの方にぜひ興味を持って欲しいのですがね」 不機嫌を隠そうとしないキースにフィシスは業界で有名な噂話を思い出した。 「あらあら、あの噂は本当だったのね」 「噂ですか?」 フィシスの言葉にキースは戸惑った顔を浮かべた。 「えぇ。キースは、アイドルなのに単独での取材は一切応じないっていう噂よ」 キースは、噂として流れている内容を聞くと、特に驚く内容ではなかった。逆に、そんなことが噂になっているのかと首を傾げる仕草をし、隠すこともない事実を告げた。 「噂ではなく。それがこの業界に入る時に親父に約束させたことですから」 −−−−SCOOP!(『DESTINY』)より抜粋−−−−
LE GRAND BLUE
エロ本(初級〜中級?)【第一弾】
−−−−LE GRAND BLUE(『CONTACT』)より抜粋−−−− 静かに横たわるブルーをジョミーは、ただ黙って見つめていた。 ブルーにミュウの母船に連れてこられてミュウという存在を理解することはできるようにはなっていたが、やはり、自分はミュウではないと思っていたジョミーにブルーは最後の力を振り絞って、ジョミーに全てを委ねようとした。結果、それがジョミーの中にある引き金を引きミュウとしての覚醒を促すこととなった。 しかし、ジョミーは自分がミュウとして覚醒したことを理解できず感情のまま、ミュウの母船を飛び出し、アタラクシアからの攻撃を避けながら大気圏を抜け宇宙へと飛び出そうとしていた。ブルーはジョミーを助ける為、体を動かすことすら息苦しい状態でありながら、ジョミーを呼び戻しに行ったがジョミーに辿り着いた所で最後の力を使いきり、ゆっくりと落下して行った。ジョミーは、慌てて追いかけブルーを捕まえるとミュウの母船へと戻ってきたのだった。 そして、目の前には、もう直ぐ消えていきそうなブルーの青い生命の炎が消えかけているのが、ミュウとして覚醒したジョミーにはっきりと感じることができた。 「ブルー」 ジョミーは何度も躊躇いながら、小さくブルーの名前を呼んだ。すると、微動だにせずいたブルーの目がゆっくりと開いた。 −−−−LE GRAND BLUE(『CONTACT』)より抜粋−−−−