2008年8月23日
CONTAX 167MT Vario Sonnar T* 28-70 RVP100
蒲生田岬を突端として、そこから南へ続く四国の東の果ての海岸線は、幾筋かの河口部に僅かな平坦地が点在する以外は、50km南へ走った海部川の払い出しに広がる大里海岸に繋がるまでずっと、ほぼ垂直に切り立った断崖で縁取られていて、人間はおろか大方の動植物さえ寄せ付けない威容を誇っている。
当然、文明を振りかざしたとて生活の足がかりすら築けないこの土地には、荒らされることのない自然がありのままの姿で数多く残っている。
それらの一つがウミガメでありヒラスズキでありウミツバメなのである。

かのカヌーイスト、野田知佑さんも終の棲家と定めた、美波町(日和佐町)の自然と人々こそ、僕が愛してやまない宝石である。
断崖と断崖の切れ目に注ぐ日和佐川の河口に築かれた天然の良港は、前後を要塞の様に崖に囲まれているおかげで、波も人心も穏やかで、そうした風土をして千年以上も前より四国霊場23番札所薬王寺を開き信仰を集めているのである。

漁業の町であると同時に信仰の町でもあるこの町は、たとえば太平洋に向かって開けた高知の港町のように、町の構造も人々の心も、うち寄せる大きな波と強烈な風雨に真っ向から対峙しているかのような外向きの荒々しさとは明らかに趣を異にしていて、何に対してもどこか包み込むような、内面の奥行きというものを感じさせる風土なのである。

時々僕が釣りの話題を書くから、多くの人は良い漁場といった印象を持っているかも知れないが、実は自然は、はたから見るよりは厳しくて、釣れないときは何をやっても釣れないし、穏やかと言ったって外洋の波は、慣れるまでは簡単に船酔いを誘発して釣りの戦意をそのものを容赦なく剥ぎ取ってゆく。
釣りはあくまで二次的要素で、僕がこの土地に惹かれるのは、きっとそう言うことではないのだ。

河口に沿って繋がれた白い船達が波に軋む音、トロ箱を椅子にしてぼんやり海を見つめている老人、市場に並ぶカツオの列、白装束のお遍路さん、大浜海岸に打ち寄せる波の音、圧倒的透明度の海、水平線から登る月と太陽、船頭の日焼けした笑顔。
僕はまたすぐに帰りたくなるのだ。

CONTAX RX2 Planar T*50mm/1.4 RVP100
何をやっているのかというと、川下り(ラフティング)である。
もう一つの宝石、四国三郎と呼ばれる吉野川は、四国を東西に貫いて流れ、流域の100万人以上の生活を養っている母なる川であり。僕の川釣りの母でもある。

見事なまでに澄んだ川をゴムボートで下るのはさぞかし爽快であろうと想像に難くないが、向こうに見えている白泡の瀬は、僕の本流釣りの一級ポイントでもあり、投げようとすると上流からボートが…なんてこともしばしばであるから、爽快なスポーツを一度はやってみたいと思う自分と、本流の大物を狙う釣り師としての気持ちと、双方の狭間で痛し痒しと言ったところか。

やはりそこにも問題が無いわけではなく、漁業者と観光客の利害は当然相反するものであり、当初は衝突もあったようだが、今はどうにか折り合いを付けているようだ。
どちらかの権利を主張するばかりでなく相互に譲り合わねばならぬのは、トラフィックが生ずるところであれば、陸の上でも川の上でもはたまた人心の間でも、どこでも要は同じなんだなーと妙な事を考えながらシャッターを押したのだ。


2008年8月19日
CONTAX 167MT Vario Sonnar T* 28-70 RVP100
峠の手前で降り出した雨が、小粒になってはきたがまだ水面に波紋を残している。
晴れの予報を裏付けるかのように、雲の向こうから朝日が射し込んできた。
ヴェルビアにぴったりの色に焼けてきたので、僕は窓を開けて雨を避けながら一枚シャッターを切り、それからコンビニで買った500円のレインコートを着込んでゆっくりと乗船準備を始めた。

獲物は何でも良いのだ。とりあえずシイラを釣りに行こうとだけ決めて、状況によって予定は変更可である。

シイラは大物ではないが、1mまでのそこそこファイターを飽きるほど釣った。
脂が乗って美味なゴマサバは入れ食いだ。
いわゆるサバ折りにして活け〆にしてから、氷たっぷりの巨大クーラーに放り込む。

大阪より遠来の友たちも、大いに楽しんでくれているようだ。
楽しいじゃないか。
美しい朝焼けで始まった一日は、海と空と友と魚に満たされて、太陽と共に豊かに沈んで行く。
他に何が要るというのだろう。

CONTAX 167MT Vario Sonnar T* 28-70 RVP100
コバルトの帯が体側に走る、鱗すら抵抗を減らすために退化してしまった、まさに泳ぐための究極の砲弾シェイプは、シャープなエッジを見せるヒレに縁取られて、まるで完璧なバランスを持つ存在であることを誇示しているようですらある。

カツオの美しい体躯と、迷うことなく水中を突進して、やがて息絶えてゆくという生命としての完成度の前には、人間は悲しいほどひ弱で逡巡に満ちた不完全な存在でしかないんだなと考えたのだった。

CONTAX 167MT Vario Sonnar T* 28-70 RVP100
気が付くと空を見上げている。
とりあえず空を見て、ちょっと多めに空気を吸い込んで、ふ〜と吐くのがどうやら癖のようだ。

港へ戻り、幸福に満たされながら帰り支度をする。
あとは体にまとわりついている、汗と潮と若干の疲労を、近くの露天風呂で洗い流せば完璧だ。

何年か前の釣りの帰りに、露天風呂から見上げた空には、ぽっかりと大きな満月が掛かっていたが、あれは確かアオリイカの帰りだから晩秋だったはずだ。

バードビューで自分の位置を想像するのが好きなのだ。
内側からしか感じられないこの世界の、いったい何処に自分が存在しているのか、ひとしきり空想する。
そうやって僕は、自分の心の座標を求めているんだろうか。

月は半月で光もまだ弱々しいが、形の良い雲が、あちらこちらに浮かんでいた。

CONTAX 137MD Planar T*50mm/1.4 RVP100
2ヶ月近く雨らしい雨は降っていない。
ほんのお湿りの夕立だが、乾いた大地には大変な喜びであっただろう。
木々も草花達も生気を取り戻し、久しぶりに葉っぱの先までピンと伸ばしている。

エンジ色の革張りの137MDに、プラナー50/1.4をマウントして車の後部座席に放り込んであったのを思い出し、絞りは開放、AEとマイナス補正で2枚写した。
もちろん当たりはマイナス補正の方なのだ。

2008年8月18日

CONTAX RX2 Planar T*50mm/1.4 RVP100
サーバの中身をあれこれいじっているうちに、データをきれいさっぱりデリートしてしまい(やろうとしていた修正はもうあきらめました)、そんなことや諸々の事情でアカウントを変更。
旧アカウントを抹消した後に、引っ越し通知をプロバイダーに依頼すると、それはできませんとの事…
あーそうなのね、と、これも良い機会と落ち込みもせず本日復旧です。
一部、ご心配下さった方々には申し訳なかったですが、本来、あっても無くても良い様なサイトですので、これからもぼちぼちな気持ちでお付き合い下さい。

ついでにレイアウトも小変更、写真はもうちょっとデカくしろという要望がありましたのでその様に、その他は極力、手のかからない様にして、更新にかかるストレスを軽減する方向で出直しです。

CONTAX RX2 S-Planar T*60mm/2.8 RVP100
5001TD
TDは、T-Drive(ティードライヴ)と発音しますのでよろしく。(詳しくはこちら
非常に楽しいミノーでありますが、リップ折損の恐れを回避するだけの理由で製品化を見送ってきましたが、ファイバーリップで問題解決、今後メインルアーに昇格です。

僕は5年に一度くらいしかリップを折らない人なので、よくわからないんですが、リップを折る人は1年に何度も折ってしまう様です。
この製品の商品化に際して僕が強く思うのは、ミノーイングと一括りにカテゴライズしてはいるけども、やってる中身は千差万別で、むしろそれぞれが全く違う釣り方をしていると捉えた方が良いのかも知れないという事。
トゥイッチの仕方ひとつにしろ、狙っているレンジにしろ、どちらが良いとか釣れるとかでなく単に違うと…
そんな曖昧さが、音楽や車のように細かなカテゴリーに細分され、またきちんと評論する土壌がある製品と比べると(評論だけで食ってる人さえいるんですからね)、幼稚な業界だなと実感するわけです。

だけど僕はビルダーとして、万人に向けた製品を作ろうとは思わないわけです。
ある共通したスタイルの人向けに特化したモデルを作ってこそ、ハンドメイドのありがたみもあろうかと思っています。

CONTAX T3 RVP100
時間を効率的に使うというのは、僕の永遠の大命題であって、僕の悲しみや無念のほとんどは、うまく時間を使えなかったことに端を発しているのはじゅうじゅう自覚しているにもかかわらず、気が付けば脱線、横道、迂回、後戻りして、ちっとも本線は前進しないのだ。

特に問題はネット利用の時間である。
リンクを辿っているうちに、いろんな横道に逸れてしまうというのはまさにネットの基本的な構造であるが、どんなに知識が増えたところで、それはあたかも窓の外で起こる事々をいつまでも無為に見つめているバカ者の様であって、いくら眺めたところで窓の曇りひとつ拭う事はできないのだから、ネットを見る事は、時間の浪費とほとんど同義であると感じるようになった。
しかし、遠くの友人の様子が伺い知れたりもするのですべてが無駄ではないのだが、とにかく30分以内に留める様に心がけている。
僕にできることは、先祖伝来の土地を耕すことと、ルアーを作ること以外には無いのだから…

CONTAX 137MD Planar T*50mm/1.4 RVP100
紫陽花を美しいと愛でる日本人のメンタリティーは、ひょっとしたらチームスポーツには向かないのではないかと、オリンピックを見ていて思いました。
謙譲や謙虚を美徳とする民族に、チームメイトさえ押しのけて、監督の指示も無視して、何がなんでも相手からポイントを奪うなんてことはほとんど無理なんじゃないかなと思うわけです。
勝つことを最重要視しなければ、フェアプレーで得点が加算されるようなシステムであるならば、日本はいいとこ行きそうですよね。
その点、個人競技なら、ストイックな民族性がいかんなく発揮されて、見てるこちらまで清々しい気持ちになります。

それよりも、試合から戻ってきた選手に、「今日はどうしちゃったんですか?」みたいなインタビューしかできないリポーターには、日頃温厚な僕も相当アタマニキテマス。
「よかったよかった、お疲れさん、ありがとさん」て、結果がどうあれ言ってやれ!と、声を大にしてます。
そこんとこだけは日本人らしくあれ!と…

CONTAX T3 RVP100
今日もまた、いつもと変わらぬ夕日が三郎池の向こうに沈んでいきます。
変わったことといえば、去年までいつも夫婦二人だったシルエットが、今はおばさん一人になってしまって、少し淋しいことです。

TU'S Talk 2008.1/1〜2008.7/30

TU'S Talk 2007.10/1〜2007.12/31

TU'S Talk 2007.6/1〜2007.9/30

TU'S Talk 2007.1/1〜2007.5/31

TU'S Talk 2006.9/1〜2006.12/31

TU'S Talk 2006.5/1〜2006.9/2

TU'S Talk 2006.1/1〜2006.4/30

TU'S Talk 2005.8/1〜2005.12/31

TU'S Talk 2005.5/1〜2005.8/31

TU'S Talk 2005.4/1〜2005.4/30

TU'S Talk 2005.1/1〜2005.3/31

TU'S Talk 2004.4/1〜2004.6/31

TU'S Talk 2004.1/1〜2004.3/31

TU'S Talk 〜2003.12/31

TOP