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CONTAX139quartz Vario Sonnar 28-70mm RVP100 F5.6
▼ じねんぼう親方の型落ちジムニーに、大人3人、釣り竿3本、ウエイダー、ベスト、その他釣りの装備一式をぎゅうぎゅうに詰め込んで、空港からホテルへ荷物を放り込んですぐのその足で、ガタゴト揺られながら660ccのターボエンジンをビンビンいわせてひたすら走るというこの状況が、免許取り立ての友人達と待ち合わせ、ポンコツのホンダZに4人乗りして、とにかく海だぁ〜!と海岸を目指した夏を思い出させて、僕はまだ知らぬ何事かがまさに始まろうとするあの日に似た期待感にワクワクしながら、かえって狭さが楽しい助手席で、流れ行く建物やトンネルや異郷の風景に浸りつつ、まるで心に翼がはえたような晴々とした高揚感を覚えていた。

車中、底抜けに明るく人の良いじねんぼう親方の語る、にわかには信じがたいほどの東北の渓流の恐るべき釣果を聞かされるにつれ、釣りに対する期待はいやがおうにも高まり、ドーっという川の音を間近に聞きながらガイドに糸を通すのが、こんなにもどかしいものなのかと思うほどに、K兄貴と僕の心ははやるのだった。

広々とした本流は、瀬と淵が理想的に連続していて、通い慣れた四国の急峻な流れとは明らかに趣を異にする、親方が語る夢のような話が、ここではあたりまえに起こってもちっともおかしくないなと僕らに思わせるような、いかにも大物がひそんでいそうな絶好の渓相を成している。

僕の故郷よりも一ヶ月以上遅い藤の花が咲き乱れるこの時期が、例年なら爆発的にヤマメが釣れる時期に当たるそうだが、ご存じのように今年は例年になく積雪が多く、この時期にはめずらしく、未だ稜線に白く雪を蓄える山々から、普段ならすでに収まっているはずの雪代(ゆきしろ=雪溶け水)がまだ流れてきていて、その影響が天候によっては、どっちに転ぶか読めない危うさを秘めて川は流れている。

親方のデジタル水温系が指した温度は18℃。
願ってもない高水温に不安も吹き飛び、僕達はこの川幅に対しては少しタッパの足りない5.2フィートのバンブーロッドを強くしならせながら、バルサミノーのフルキャストを繰り返したのだった。

答えはすぐに出た。
東北初のヤマメは、ここぞというポイントの、まさに狙ったとおりの場所であっさりと釣れた。

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▼ 小型ではあるが、驚くほど丸々と肥えた渓流の砲弾は、本流の魚らしくギンケのような脆い鱗を、パーマークの上にうっすらとまとっている。
ガイド役の親方は、サイズに不満そうであるが、K兄貴と僕がそれぞれ初ヤマメを釣り上げると、我が事のように満面の笑みで喜んでくれた。
それから僕達は、ヤマメやニジマスをポツポツと釣り、その豊満な魚体に驚き、親方の期待するほどの魚は遂に顔を見せなかったけれど、それでも僕達は、川底の白岩にびっしりと魚のエサとなる川虫が付く豊かなこの川と、後方でニコニコと僕らのサポートに徹してくれる、川より豊かな心の持ち主に支えられて、願ってもない恵まれた初日を幸せな気持ちで終えることができた。

夕方から店を開けなければならない親方に代わって、途中からは大ちゃんが僕達をピックアップしてくれて、夕食はもちろん、親方の切り盛りする「じねんぼう」で舌鼓を打ったのは言わずもがなである。
刺身の盛り合わせに、驚きのおいしさの天然ワカメのしゃぶしゃぶ、創作料理の「若筍のかぶら蒸し」は絶品である。
親方が自分で採集してきた山菜で作った小皿の数々もまた、僕らの舌を大いに楽しませてくれた。

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